編集部員のitosatiです。久しぶりの投稿です。
今日、5月28日(金)、「鏡池物語」なる演劇を見てきました。
名古屋公演の場所は城山八幡宮の境内。
「野外劇団 楽市楽座 はじめての全国巡回公演!」「…不思議な現代神楽」「金魚姫と蛇ダンディ、…名前もない虫(の物語)」内容も、評判もよく分からないまま、ただチラシから漂うディープな匂いにひかれ、行って参りました。
城山八幡宮の境内に設営された、小屋組みも入り口もない円形劇場に着くと、
既にチラシに載っていた役者さん3人がお客さんにトーク中。
舞台裏もないので、役者さんはでずっぱりなのです。
城山八幡宮に設営された円形劇場と、役者の親子3人ちなみに、役者3人は音響も舞台設営も衣装制作もすべて自力のよう。
だから、舞台中も役者が語りつつギター奏で、テントでキーボードを叩く。
幕もないので、自らはじまりを宣言し、自分で名乗って、場所の説明をして、という舞台進行。
能狂言に似ているかも。
水に浮かび、かつ、くるくる回り続ける円形劇場と、
客席を行き来したり、屋外空間を利用した舞台空間もおもしろい。
日が暮れるほどに、灯りに虫は群がり、天気や気温もダイレクトに影響するという新鮮さと、
何より、なんでもない神社の境内の一角が、突如、舞台空間になるというのが、不可思議でいい感じ。
右が金魚姫、左が蛇ダンディストーリーは、これから見る人もあるので、さておき。
彼らの存在自体、これが、何より衝撃的。
1991年に旗揚げし、主に大阪で野外劇を上演してきた劇団が、今年20周年を目前に、
北海道から沖縄までの全国巡業を、親子3人でする。
これぞ、旅芸人! しかも芝居小屋をまわるのではなく、仮設野外劇場を自ら設営するたくましさ。。
しかもしかも、入場無料の投げ銭が収入という、博打的な稼ぎ方。
公演のない日、10歳の萌ちゃんは何をしているのかしら…?
あのバンで、親子三人が寝泊りし、日本中を走るのだろうか…?
ホーキオニ役の萌ちゃんと楽市楽座のバンと、舞台を見つつ、彼らの生き様を勝手にあれこれ考える。
というか、彼らの生き様を見に来たような。
雇用不安や受験競争、マイホームローンなど、社会に蔓延する重苦しい縛りとは別の次元で、
歌って踊って、日本を回り、親子3人が生きていく。
名古屋公演は5月31日まで。いずれも19時開演。
ご都合許せば、ぜひ。いろいろおもしろい舞台です。