ほぼ毎朝、家の周りを歩いています。
尼ヶ坂の地蔵堂をめざす、北周りコース。商店街を抜け、大好きな観音堂でおまいりする、南周りコース。一番よく歩くのは、最短の主税町筋から白壁筋をたどるコース。
季節の移り変わりを感じたり、ぼんやりした頭が少しだけ活性化される、貴重な時間。
のはずが、最近そこを歩くたびに、「なに、これ!」と思ってしまうところが・・・。
家からわずか100メートルほどのところに建設中の結婚式場がその現場です。
武田五一の設計で昭和初期に建てられた「春田文化住宅」と、その隣にあった会社が一気に更地となり、現在「エドワード一級建築設計事務所(江場設計)」の手による巨大な結婚式場が建設中なのです。
中央に教会のかたちをした鉄骨が組み上がった段階で、「ああ〜」
(斜め向かいに、明治期のステンドグラスが入った名古屋で最古の「本物の」カソリック教会があります)
そして、ここ2週間くらいで全貌をあらわしはじめたのが、神社の屋根のような曲線の銅板葺き屋根をもつ、でっかい鉄骨造日本家屋風建物。
そこに、トラックで運び込まれているのが、頭部に装飾をいっぱいつけたギリシャ神殿風?の柱?
いったい、ここはどこ???
すでにこの地区は「マリッジ・ストリート」となっています。
昔からある料亭や近年建てられたフランス料理屋、そして東京資本の結婚式場などなど。
最後に書いた結婚式場が十数年前に建てられたときは、近隣から景観を危惧する声があがり、たかーい塀が建てられることになったのですが・・・。
結婚するカップルや祝福する人たちを見ているのは、幸せな気分になります。
カトリック教会で式をあげて、その後レストランに移動して少人数で食事をという流れが、主流になってきているのだと、思い込んでいました。
それは誤解だったのですね。
巨大かつ、豪華絢爛な式場が、超一等地に建てられるだけの需要があるということなのでしょう。
蛇足ですが、この地に越してきたころから、春田文化住宅は憧れの場所でした。
小さな広場をとりまく、12軒のかわいらしい木造住宅。
借りたい人はたくさんいるのですが、大家さんの意向で空き家の状態が続いていました。
わたしに買い上げるお金があったなら、あそこをお店にするんだと、空想するのが好きだったのです。
小さな本屋に花屋、カフェやおいしい豆腐屋さんもいいかもしれない。
いろんな人が出入りしたら、すごく楽しい場所になるだろうなあと。
あそこを通らない方が精神衛生上いいみたい。
でも、41号線にでるにも、栄方面に向かうにも、一方通行が多いこのまちでは、あそこを通らないと用がすまないのです。
ざわざわした気持ちは、いつかおさまるときが来るのでしょうか。